ASOBIO 阿蘇&糸島 園庭ツアーレポート

2024年5月23日、24日で熊本県阿蘇市の雑木林や熊本市と福岡県糸島市の2園の園庭を視察するバスツアーを開催しました。2日間のツアーの内容をレポートします。

ツアーの企画案内はこちらです。

熊本駅に集合

午前8時にJR熊本駅に集合しました。北海道から鹿児島県まで約50名の先生方に参加いただきました(満席です)。

古閑の雑木林散策

熊本県阿蘇市にある古閑の雑木林を、古閑舎代表の古閑さんに案内をお願いしました。古閑さんは九州のASOBIOの園庭をお願いしてる造園家(庭師)です。造園業だけでなく、樹木の生産もされており、古閑の雑木林は樹木の生産の拠点でもあります。一般的な植栽用の樹木は平たんな畑に苗木を植えるので樹形は比較的まっすぐになりますが、古閑の雑木林は阿蘇のカルデラの外輪山に位置し、自然の山林のような起伏や斜面の中に苗を植えて育てるので、樹形が曲がっていたり、自然樹形に近い樹木が育ちます。日当たりを好む樹木、日陰を好む樹木、園庭に人気の葉っぱや幹に特徴のある樹木や香りがする樹木等を丁寧に説明いただきました。写真の最後にある大きなはっぱの木はホオノキです。こんな大きな葉っぱが園庭に落ちているだけでワクワクしますね。

雑木林の散策を終えた後は近所の公民館でASOBIOや古閑舎さんの説明をしました。古閑舎さんのお話の中で樹木を植栽する土壌(土中)の大切さのお話がありました。一般的な園の園庭は雑草すら生えない、植物にとって好ましくない土壌で造成されています。穴を掘って植えるだけでは、樹木は健全に成長しません。古閑さんの仕事は、良質な土壌を作るところから始まります。沢山の空気や菌が存在する土中環境を準備する事で、樹木は大きく根を張り、成長するのです。

熊本市内に向かう最中に阿蘇の景勝地である大観峰に立ち寄りました。あいにくの天候でしたが、雄大なカルデラ地形や、阿蘇特有の草原は美しかったです。

熊本市せきれいこども園のASOBIOの園庭

熊本市内のせきれいこども園さんのASOBIOの園庭を訪問しました。古閑さんが担当したASOBIOの園庭です。木の家はアトリエです。園庭にいながら、お絵かきをしたり、工作をしたり、おやつを食べたりと多目的に使えます。平面な地形に起伏を造成して、高木、中低木、下草をバランスよく植栽しています。築山の奥側には阿蘇の火山石を使った石垣もあります。地域の自然を上手に取り入れています。

福岡県糸島市りんでん保育園のASOBIOの園庭

2日目は朝熊本駅を出発し、福岡県糸島市のりんでん保育園を訪問しました。昨年12月に完成したばかりのASOBIOの園庭です。限られたスペースに、命溢れるASOBIOを作りました。築山に20本以上の木々や苔を植栽しています。大人でも共感できるランドスケープ(景観)を大切に、随所に古閑さんの丁寧な仕事が光ります。熊本から古閑さんも来ていただき、丁寧に説明をしていただきました。

子どもたちが集まるこのケースの中には、鯉が飼育されています。錦鯉は観賞魚であり、本来自然界に生息する生き物ではありません。大切な命であることに違いはありませんから、ASOBIOとは別のスペースに区別して飼育しています。こいうった生き物への配慮は、共主体の場であるASOBIOでは大切にしている考えです。

パネルディスカッション

りんでん保育園の園長笠先生から園の説明やASOBIOの園庭を作った経緯を説明いただき、後半は古閑さん、スマートエデュケーション代表の池谷も加わりパネルディスカッションを行いました。会場からは、ケガのリスク、保護者への説明や理解等、沢山の意見が出ました。主体性保育への転換と同様に、職員や保護者、地域の方を巻き込んだ活動をご紹介しました。

懇親会・まとめ

希望者で糸島の海を臨む食堂で懇親会をしました。近くには、通称トトロの森、こんな素敵な樹木のトンネルが園庭にあってもよいですね。今後もASOBIOは全国でユニークなツアーを企画します。ご期待ください。