11月11日に開催したASOBIO園庭セミナー『目指せ!園庭マスター 第3回 今なぜASOBIOなのか?「こども主体という言葉をとらえなおす」』のセミナー動画のアーカイブや、質問と回答をご紹介します。
セミナーの開催概要はこちらです。
アンケート回答いただいた方に、大豆生田先生著「いま、なぜ、ASOBIOなのか?」『こどもまんなか』と『いのちまんなか』をつなぐ持続可能な社会形成のために」をプレゼントします。アンケート回答はこちらからお願いします。
Q:園内の環境構成の中で共主体の第一歩は園庭環境からですか?(矢浜保育園さん)
A:先生も環境の重要な要素として考える必要があります。先生間で共主体の保育の必要性の共有や、取り組む時間が確保できるかをまずはしっかり考えるべきです。園庭環境は、園児、先生の共有スペースなので、園全体で取り組みやすい環境だと思いますが、先生が取り組みたいところから始めるのもよいと思います。
Q:ブランコ、滑り台などの遊具を使うとき、子どもが自分でルールを作ったり、独自の遊びを展開したりできるような工夫はありますか?(木の葉幼稚園さん)
A:ブランコや滑り台は危険が伴いますが、遊びが充実するので取り入れたい設備です。先生や大人がルールを決めてこどもに周知するのではなく、やはりこどもの声を取り入れる、こどもの発信を保証する場にするべきです。また、こういった考えは保護者にも伝える事も大切です。
Q:ビオトープの例として水を貯めて・・・と話をすると、蚊が湧くので絶対にやめてほしいといった拒絶的な反応がでてきます。ビオトープによるデメリットも含めて職員への理解をすすめていくために、管理職として行えることは何かあるでしょうか。(ひまわりこども園さん)
A:ビオトープ=水場ではなく、「地域の生き物が住む場所」を意味します。そういう意味では雑草の草地もビオトープです。水場を作った場合、めだか等の天敵(めだかは蚊の幼虫、ボウフラを食べます)を飼う事で発生を予防する事もできます。ただし、樹木がある場所には、蚊はつきものなので完全に防ぐ事はできません。こういった事も持続可能な社会を支えるこどもたちには必要な経験である事を大人が認識する事が大切だと思います。
Q:小さい園庭での事例などの紹介はありますか?(豊中愛光幼稚園さん)
A:小さい園庭でもビオトープを作る事はできます。ASOBIOの事例の中にも、狭いスペースにビオトープを作っている事例もあります。ご相談ください。
Q:校庭のような園庭を変化させていった園さんでは、「運動会の在り方・行い方」はどう変化させていったのでしょうか?(認定こども園やままえ保育園さん)
A:変化した園庭に合わせて行事の在り方を変える園、近くの小学校やホールを借りて対応する園の2タイプがあるようです。前者の場合、例えば築山の周囲を走る競争や、築山にロープをつけて登る競走をした園もあります。いずれも、こどもと先生が相談して決まった競技だそうです。こういったでき事をドキュメンテーション等で保護者にも共有して、ともに共感し、楽しむ文化が大切です。
Q:子どもの人数が多く、生き物や植物に対する扱い方を子どもたち全体に浸透させていくことに難しさを感じています。アプローチ方法の例などありましたら教えていただきたいです。(風と緑の認定こども園さん)
A:扱い方を先生主導で一斉型で伝えるとしたら、それは大変な事だと思います。こどもを自由に遊ばせる中で、考えてほしい事、注意してほしい事があれば、都度こどもに考えてもらうとよいと思います。人数が多い事をプラスに捉えれば、いろいろな問題が発生し、それを全体で話し合うチャンスにもなるのではないでしょうか。
Q:先ほど園庭における4つの型を教えていただきましたが、いくつかの型を組み合わせて園庭を作っていくことは可能でしょうか?(ナカムラさん)
A:もちろん可能です。4つの型は区域を分けて設置するのではなく、動線を考えててバランスよく配置することが大切です。
Q:園庭に外来種の草が生える事があると思うのですが、そのままにするのか子どもと駆除していくのか、どうでしょうか?(学校法人幸陽学園南柏幼稚園さん)
A:ASOBIOでは在来種を中心に植栽をしますが、あえて外来種を植えることもあります。例えば、シロツメクサやブルーベリーやレモンです。先生と相談し、外来種と認識した上で、そこで産まれる遊びを優先し、植栽しています。外来種でも、「特定外来生物」や「生態系被害防止外来種」に指定されているものは、基本的に植栽しませんし、駆除する事も必要です。
12月12日(木)でASOBIOセミナー「目指せ!園庭マスター『ランドスケープを重視したドイツの園庭・保育環境』」を開催します。