セミナー

ASOBIO園庭セミナーレポート 『目指せ!園庭マスター 第4回 ランドスケープを重視したドイツの園庭・保育環境』

12月12日に開催したASOBIO園庭セミナー『目指せ!園庭マスター 第4回 ランドスケープを重視したドイツの園庭・保育環境』のセミナー動画のアーカイブや、質問と回答をご紹介します。

セミナーの開催概要はこちらです。

セミナー動画(アーカイブ:60分)

アンケート回答いただいた方に、登壇者資料と、ドイツの6園の保育環境の写真や解説を掲載した冊子「ドイツの園庭・保育環境」をプレゼントします。アンケート回答はこちらからお願いします。

セミナー中に頂いた質問と回答

Q:自然があまりない園庭の景観を変えるためにはどういうところから始めるのがいいのでしょうか?(矢浜保育園さん)
A:園庭の一部を掘り起こして(耕して)、園の周囲にある河原や山林等の地域の自然の土を混ぜてみてください。土の中には種子が含まれるのでやがて地域の植物(雑草)が生えてくるはずです。こういった場所を少しずつ増やしていけばやがて自然と調和した園庭になります。時間をかけずに短期間で作りたい場合には、私たちにご相談ください。

Q:自然物の遊びは木屑が手に刺さったりと、管理などはどのようにしていますか?(福井佼成幼稚園さん)
A:自然を取り入れると、小さなケガは発生します。木屑が手に刺さる経験は、幼少期に必要な経験なのかもしれません。リスク(成長のために必要な危険)とハザード(大けがにつながるので取り除くべき危険)を園内で話合う事、方針をしっかり保護者にも共有して信頼関係を構築することが大切です。

Q:園庭のbefore afterを見せていただきましたが、総工費はおおよそどのくらいかかったのでしょうか?(新大船幼稚園さん)
A:ASOBIOでは、現場の先生と一緒に園庭造りをする事を大切にしています。3回~5回程度の研修と設計、施工までを行います(合算した費用を頂きます)。園庭の広さや、土壌の状態(踏み固めた園庭の場合、土壌改良が大切です)によって金額に開きがあります。園庭を拝見して概算をお伝えする事は可能です。お問合せください。

Q:園庭が隣接の建物の駐車場になることがあり、そのため土がとても固くなります。砂の園庭自体の土の入れ替えをしたいと思っています。どのような方法や工夫、検討をすればいいでしょうか?(豊中愛光幼稚園さん)
A:土壌の改良は大切です。しっかり土中環境を改善しないと、植栽しても元気に成長せず枯れてしまう事もあります。園庭の土や砂を完全に入れ替えるのはかなりの手間と費用がかかります。私たちは現状の土壌を重機で耕耘して、健全な土と混ぜる施行をするケースが多いです。

Q:大きな木、けやき、ぶななどは移植が可能なのですか? どのくらいの大きさが売ってますか?(いそはら幼稚園)
A:大きな樹木も移植は可能です。ただし、大きな樹木は根も大きいので、速やかに移植する事はできません。根回し(移植に向けて根をカット、整理する)をして約1年後に重機を使って移植します。一般的に園庭に大きな木を植える場合には、大きな木を販売している農家さんから仕入れて、運搬して植えます。生き物を移植するので、丁寧な仕事が大切です。成長を楽しむ事も大切なので、最初から大きな木を植える事はあまりおすすめはしていません。大きな木でも5mくらいの木を扱う場合が多いです。

Q:ドイツでは、リスクとハザードをどのように実施しているのでしょうか?(みずほ幼稚園/大地の子さん)
A:自然豊かな環境がドイツの園庭の魅力ですが、しっかり管理をしています。大きな木から枝が落ちないか、遊具は痛んでいないかといった先生が日常のハザードの点検をしています。森の幼稚園も手付かずの自然に見えますが、こどもがいない時間に大人がしっかり点検、管理して解放しています。ドイツではこうった管理を地域の自治体が行っているケースもあります。危険(リスク)を徹底的に排除する日本の公園とは大きな違いを感じます。自律的な大人に成長するように、こどもに経験して欲しい経験(リスク)と予期せぬ危険(ハザード)を大人が日常から考えている文化・風土があります。

Q:18年前に園庭に森を作りましたが、木が大きく育ってしまって、剪定の仕方がわかりません。業者さんに頼むべきでしょうか。そこが悩んでいるところです。(moritさん)
A:結論から申し上げれば、植木屋さんに相談をおすすめします。一つ前の質問でドイツのリスクとハザードの回答をした通り、こどもが遊ぶ環境なので適切な管理が必要です。植木屋さんに依頼する場合、街路樹のようにぶつ切りになると景観が損なわれます。自然樹形を保った剪定ができる植木屋さんにご相談されると良いと思います。私たちにご相談いただくことも可能です。