6月20日に開催したASOBIO園庭セミナー「環境を通した保育の最前線『愛と自然と主体性』」のセミナー動画の見逃し配信(アーカイブ)や、質問と回答をご紹介します。
セミナーの開催概要はこちらです。
アンケート回答いただいた方に、登壇者資料と、抽選で20名様に出原先生 の著書『自然・植物あそび一年中 』をプレゼントします。アンケート回答はこちらからお願いします。
Q:質問が3点あります①枝などで遊んでいる姿がありましたが、子どもたち自ら採るのか、先生が準備するのか。②自然物採取に関する子どもたちとの決まりはありますか。③「植えてみると面白いよ」という植栽等自然物があれば教えていただきたいです。(めぐみ幼稚園さん)
A:枝は剪定したものを捨てずに園庭に置くようにしています。それをこどもが見つけて、あそびの素材として使っています。使い終わった植物は捨てることはなく、園庭に撒いておくとやがて土に還ります。
草花の採取に関するルールは特別にはありません。こどもたちと一緒に育てているので、大切にする心が育っています。0歳や1歳の子が抜いてしまうケースはありますが、「そんな事もあるよね」と周囲の大人やこどもたちは理解しますし、「もう少し待つともっと綺麗に咲くよ」と前向きな語り掛けを繰り返せば、本人も徐々に理解するようになります。愛情をもって育てているこどもは、その人が愛情を持って育てているものを無下することはありません。
おすすめの植物ですが、地域や土壌(酸性土壌、アルカリ性土壌)によっても違います。それよりも、先生がどんな遊びをしてみたいかを考えたり、興味を持った植物を植えてみるのもよいと思います。出原先生の著書『自然・植物あそび一年中 』には遊びに適した沢山の植物が紹介されています。
Q:最初の園庭着手の写真で地面がコンクリートのように見えたのですが、子どもたちがあそんでいる場所はどのようにつくられたのですか?(豊玉保育園さん)
A:パーゴラの下に石板をおいています。石板は表面がザラザラしているので、植物をすりつぶしたり、チョークで絵を描くこともできます。
Q:園庭の植物が暑さで育たずに枯れてしまいます。この猛暑、どの様に対策していらっしゃいますか?(豊玉保育園さん)
A:植えてから5年くらいは水やりが大切です。すぐに蒸発しないように、シロツメクサ、アカツメクサやクリムゾンクローバーの種を木の幹の周りに撒いてグランドカバーにしています。これらの植物は緑肥として土壌を肥やす役割もしてくれるのでとても便利です。景観もよく、遊びにも使えます。
Q:様々な樹々、花々が素敵です。草刈りなども大変だと思いますが、職員がするのでしょうか?(新井ひとみさん)
A:草刈りが大変ということはありません。ほぼ毎日外に出るので、こどもが歩く場所はそこまで成長はしませんし、伸びすぎたところを剪定するくらいです。前述したように、剪定した植物もそのまま園庭に置いておくと、こどもが遊びでつかったり、やがて土に還ります(緑肥になります)。
Q:植栽の際もすべてプロの方を入れずに行ったのでしょうか?(天満幼稚園さん)
A:むぎの穂保育園はすべて、出原先生と職員の方が植栽をされました。出原先生は、植栽に関する知識も豊富です。一般的な園さんは、無理をすることはおすすめしません。土壌を理解せずに植栽をするとすぐに枯れてしまったり、健全に育たないケースがあります。造園家さんや当社(スマートエデュケーションASOBIOチーム)にご相談ください。
Q:虫対策はどうなされてますか?(貴家理允さん)
A:蚊に関しては、天然素材を使った人体に無害な蚊取り線香を使っています(それでも刺されますが)。イラガ、チャドクガ等 の幼虫は、乳幼児がさわると皮膚炎等の酷い症状が出ますので、見つけた場合は子どもたちに触れないように気をつけるよう注意喚起をします。同時に、目に見える範囲のところは割り箸で取り除くなどの対応をしていますが、今のところ3年間でイラガの幼虫が2回見つかっただけです。木が元気な状態なのと、 鳥がたくさん来る庭なので、ドクガの繁殖に至らないような気がします。人に危害を加えるから安易に駆除するのではなく、生き物にも同じ命があることを大人、こどもと共有した上で冷静に対処することが大切です。