コラム

園の雨水、どこへ行っていますか?〜園庭から駐車場まで。これからの「雨対策」〜

雨が降ったあと、皆さんの園の雨水はどこへ行っていますか?

園庭に水たまりができる。

駐車場に水が集まる。

園舎の屋根から、雨樋を通って排水溝へ一気に流れていく。

そんな雨の日の風景を、私たちは何気なく見ています。

でも、少しだけ視点を変えてみると、そこには「園の中だけではない、雨の問題」が見えてきます。

降った雨を、どこで受け止めるのか。

どれだけその場に留められるのか。

そして、どのように大地へ返していくのか。

ASOBIOではこれまで、自然豊かな園庭づくりを通して、子どもたちの「あそび」と「自然」をつなぐ環境をつくってきました。

その中で、私たちが向き合ってきたテーマの一つが「雨」です。

今回は、園庭とは少し違った角度から、「園から始める雨の治水」について考えてみたいと思います。


雨を「流す」だけではなく、「受け止める」

都市化が進んだ現代では、アスファルトやコンクリートなど、雨が地中に浸み込みにくい場所が増えています。

本来なら、土や植物を通り、ゆっくりと大地へ戻っていくはずだった雨が、排水路や下水道を通って、一気に流れていく。

大雨が降ったとき、その水が一度に河川や下水道へ集中すれば、浸水などのリスクも高まります。

そこで近年注目されているのが、「流域治水」という考え方です。

ダムや堤防だけで水害を防ぐのではなく、森林や農地、道路、住宅地、そして私たちが暮らす一つひとつの場所で、雨水を「貯める」「浸透させる」など、流域全体で水の流れを考えていく。

つまり、

雨が降った場所で、できるだけ雨を受け止める。

そんな発想への転換です。

ASOBIOが取り組んできた、「雨庭(あめにわ)」

ASOBIOでは、これまで「雨庭」という方法を園庭に取り入れてきました。

雨庭は、雨水を集めて、一時的に貯め、ゆっくりと地中へ返していく場所です。

でも、私たちが雨庭を面白いと思うのは、単に「水はけが良くなるから」ではありません。

雨が降る。

水が集まる。

植物が水を吸う。

土にしみ込む。

生きものがやってくる。

そして、子どもたちがそれを見つける。

雨をきっかけに、自然の循環が見えてくる。

それが、ASOBIOが考える雨庭です。

【雨の日】

【翌朝】

では、園庭の外に降った雨はどうでしょう?

園庭は自然豊かにしたい。

土や草や木を残したい。

でも、駐車場は?

アプローチは?

送迎スペースは?

ここは、どうしても舗装が必要な場所でもあります。

だったら、

「舗装する場所でも、雨を活かせないだろうか?」

そんなところから、ASOBIOとDotcon+の取り組みが始まりました。

「自然」と「舗装」は、対立しなくてもいい。

Dotcon+は、雨水を目地から取り込み、地中へゆっくり還していく透水・貯留浸透型の舗装です。

雨をただ排水するのではなく、

「舗装しながら、雨を地中へ返す」

という考え方です。

駐車場やアプローチなど、舗装が必要な場所に使う。

そうすれば、

水たまりを抑えながら、

雨を地中へ返しながら、

園の景観も整えていく。

つまり、

「水はけをよくする」だけではなく、「園の景観をよくする」こともできます。

園全体で雨の流れをデザインすること

私たちは、自然豊かな園庭の中まで舗装に変えていきたいわけではありません。

土に触れる。

木に触れる。

水に触れる。

生きものと出会う。

子どもたちが、自分の身体と感覚を使って自然と関わる。

そんな園庭をつくることは、これからもASOBIOの中心です。

一方で、駐車場やアプローチなど、舗装が必要な場所もあります。

だからこそ、

自然を残すことと、舗装することを対立させない。

場所ごとに役割を考え、園全体で雨の流れをデザインすることが大切です。

水はけを変える。景観も変える。

駐車場やアプローチは、園を訪れる人が最初に目にする場所でもあります。

だから、「水はけが良くなればいい」だけではありません。

園の雰囲気に馴染むこと。

毎日歩きたくなること。

自然豊かな園庭へとつながっていくこと。

そんな景観も大切です。

Dotcon+は、正方形や長方形、六角形など、複数のパーツを組み合わせることで、さまざまなデザインに対応できます。

治水と景観。機能とデザイン。

どちらかを諦めるのではなく、両方を考える。

それも、これからの園づくりに必要な視点のひとつではないでしょうか。

その一滴は、園だけのものではない。

園に降った雨。

駐車場に降った雨。

園舎の屋根に降った雨。

一つひとつは、小さな雨かもしれません。

でも、その一滴をその場所で少しだけ受け止める。

少しだけ地中へ返す。

それが10園になり、100園になり、1000園になったら。

一つの園では小さな取り組みでも、地域全体で見れば、大きな意味を持つかもしれません。

雨庭も、Dotcon+も、それだけで地域の水害を解決するものではありません。

だからこそ私たちは、一つひとつの園で「雨をどう扱うか」を考えることに意味があると考えています。

子どもたちのためにつくった環境が、地域の水循環にもつながっていく。

そんな園づくりがあってもいいのではないでしょうか。

雨の日に、園を10分歩いてみる。

次に雨が降った日、ちょっとだけ園を歩いてみてください。

駐車場から、アプローチへ。

アプローチから、園庭へ。

そして、園舎の屋根から落ちた雨はどこへ行っているのか。

見てみると、

「ここに水が集まってる。」

「ここは全然水が浸み込まない。」

「この雨水、全部排水溝に入ってるんだ。」

そんな発見があるかもしれません。

雨の日にしか見えない、園の姿があります。

その「気づき」から、園は変えられる。

雨庭をつくる。

植栽帯で雨を受け止める。

駐車場を透水性のあるものに変える。

アプローチの水の流れを見直す。

全部を一度にやる必要はありません。

できるところから、一つずつ。

ASOBIOは、

「園庭を自然豊かにすること」だけを考えているわけではありません。

園庭も。

駐車場も。

アプローチも。

雨庭も。

それぞれをつなげて、

園全体を、子どもたちが育つ環境としてデザインする。

その先に、地域の水の流れや、これからのまちのあり方までつながっていけばいい。

「うちの園では、どうだろう?」

もし、そう思ったら。

ASOBIOにご相談ください。

雨庭だけではありません。

園庭、駐車場、アプローチ、植栽、そして園全体の雨の流れまで。

ASOBIOは、それぞれを別々に考えるのではなく、園全体を一つの環境として捉え、できることをご提案します。

大きな工事をすることだけが答えではありません。

まずは、雨の流れを一緒に見てみる。

そこから始めることもできます。

雨を、ただ流さない。
少し受け止めて、少し還していく。

ASOBIOは、そんな園の風景を増やしていきたいと考えています。