ASOBIOセミナーレポート

6月20日に開催したASOBIOセミナー「大改造!劇的園庭ビフォーアフター」のセミナー動画のアーカイブや登壇者の資料、質問と回答をご紹介します。

セミナーの開催概要はこちらです。

セミナー動画(アーカイブ)と登壇資料

動画は画像をクリックしてください。

Episode1:千葉県柏市 きたかしわ幼稚園さん

登壇資料はこちらからダウンロードしてください。

Episode2:福井県福井市 めぐみこども園さん

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「園庭に上手に自然環境を取り入れる方法」スマートエデュケーション長沢さん

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質問と回答

セミナー中に頂いた質問と回答

Q:落ち葉などはどうされていますか?(せいあこども園さん)

A:落ち葉は樹木の良い肥料になります。木々の根本に落ち葉集めれば、やがて腐葉土になります。また、落ち葉を木枠や砂辺にいれてあげると自然のトランポリンになります。今まで厄介ものだった、落ち葉や雑草が園庭遊びを豊にする大切な素材になります。

Q:どろんこ遊び素敵です!どろんこ遊びには着替えを持ってきてもらうとのことですが、保護者の反応はいかがでしょうか?園児の主体的な遊びを広げるという目的を上手に保護者に伝えるために、何か工夫がありましたら教えていただきたいです。(川茂保育園さん)

A:各園の回答をご紹介します。

きたかしわ幼稚園さん:汚れてよい私服を家庭から持ってきていただいています。着替えて泥遊びをしています。汚れた場合は、軽く水洗いして絞ってビニール袋に入れて持ち帰ってもらいます。父母の会があるので、ASOBIOの狙いを丁寧に説明しており、クレーム等はありません。

めぐみこども園さん:いつもは体操着で遊んでいましたが、保護者から汚れが落ちないとの相談がありました。登園するときに、汚れてよい格好で登園する事もOKとしてました。保護者の意見にもしっかり耳を傾け、柔軟にルールを変更するようにしています。

参加園からの回答:どろんこ遊びは、水着に着替えてするようにしてます!もしくは水着の代わりになるものでするようにしてそれを毎日園に持ってきてもらうようにしたらいつでも出来るかなあと思います!田舎だからできることなのかもしれません。また、汚れに関しては子どもたちに洗濯板を渡して自分で洗うようにしてます!洗濯板を使うと土汚れも随分落ちます。ウタマロのような石鹸を使うとアワアワにもなって楽しく洗濯活動ができるのでなかなかいいなあと自園ながら思ってます。

スマートエデュケーショからの回答:汚れやけが(危険)に対する保護者の理解に関する質問を多くいただきます。大切な事は、職員間はもちろん、園と保護者との信頼関係と丁寧なコミュニケーションです。園の生活を通じて育てたい子どもの姿を丁寧に説明する事が大切です。園庭改修の計画段階から、園庭を変える狙いをしっかり伝える事も大切です。わが子が突然泥汚れのひどい姿で帰宅したら驚くのも当たり前です。子どもの遊びの様子をドキュメンテーション等で伝える工夫も効果的です。心配されていた保護者が、ドキュメンテーションを見る事で子どもの育ちを実感し、すっかり園のファンになった話もあります。

Q:砂場に水を入れた後、乾くと砂が締まると思いますが、砂の手入れはどうしていますか?頻度はどれぐらいでしょうか?(ゆりか認定こども園さん)

A:硬いなと思ったらスタッフで耕しているケースが多いと思います。頻度は、毎日点検しているので気になったらやっています。

Q:泥んこ遊びの砂・土は2種類と仰っていたかと思いますが、何を使われたのでしょうか?(めぐみ幼稚園さん)

A:砂場には山砂(粘度が高く泥団子になりやすい)と川砂(サラサラした一般的な砂場に使われるもの)を使うことが多いです。ブレンドすることもあります。地域によっても砂や土の性質や色が違うのも、面白いポイントです。

Q:築山の高さはどのくらいですか?(キッズテラスさん)

A:きたかしわ幼稚園さんは1m20cmくらい、めぐみこども園さんが2mくらいあります。園によって高さは異なります。子どもが削ったり、盛り土をする遊びが生まれる事もありますから、形は変わるものと考えるのが良いのかもしれません。

Q:築山に穴を掘ったり、ウッドチップを投げたり・・・と大人からすると止めたくなる行動があったとありましたが、その後のメンテナンス(穴の開いた所、土やチップの補充や植栽の手入れなど)はどのようにされていますか?(下馬鳩ぽっぽ保育園さん)

A:基本的になにもしてません。子どもの遊びを優先させており、大人の無用な心配にならないよう気を付けています。毎日の点検で危ないと判断箇所はスタッフで補修をしています。木々は大きくなるので年1回を目安に造園家さん(プロ)に剪定に入ってもらっています。

Q:費用や工期はどのぐらいですか?(とちの実保育園さん)

A:園庭の大きさや改修する面積、工事の内容によって価格は異なりますが、植栽や築山等の参考価格をご案内します。工期は2週間から1カ月半くらいです。

Q:どこまでのケガを起こりえる怪我として保護者に伝えていますか?(ゆりか認定こども園さん)

A:ASOBIOの園庭を作る際に、保護者にけがのリスクに関してはお話はしました。心配される保護者の声もしっかり受け止めつつ、園として大切にしている事や環境に関しても伝えています。ケガをした場合も速やか救護して共有する事で、安心して園に送り出していただいています。

Q:蚊が増えそうですがどうでしょうか。(高浜ひかり幼稚園さん)

A:蚊が特別増えたという報告はありません。雑草も、薮にならないよう茂りすぎた場合には剪定をしています。池(水のビオトープ)はメダカ等の魚を飼ったり、水生植物を植栽したり、水を循環させる事で(よどみを作らないようする)蚊の発生は抑えられます。蚊が発生しやすい場所は蚊取り線香をたいたり、虫よけスプレーを使っています。

Q:保育室と園庭と二か所で遊ぶことにより職員連携が不可欠だと思いますが、どのような工夫をされていますか?インカムやIP電話を使っているのでしょうか?また帰る子どももいると思いますが、どのように把握されていますか?(ゆりか認定こども園さん)

A:IP無線機は職員の連携を図るためにとても便利です。スタッフが少ない時間は遊べるエリアを縮小する等の工夫もしています。また、万が一のケガやトラブルを振り返るためのカメラも設置している園もあります。登園、降園は必ず玄関を通過するので、登降園管理システムで管理しています。

Q:ビオトープの水は循環されているのですか?ボウフラなどがとても心配です。でもとても興味があります。(たかやま保育園さん)

A:水のビオトープは必ず、循環させるか水が園外に流れ出るようにします。メダカやフナ等の淡水魚はボウブラを好んで食べます。水生植物を植栽して上手に水場の生態系を作る事も大切です。失敗をする事もありますが、子どもや先生と楽しみながら取り組む事をお勧めします。

Q:楽しく遊ぶ、と言うことと後片付けは、相反するような感じに思いますが、みんなで出来ますか。また、片付けについての意味合いは、どのようにお考えですか。(明徳寺森のこども園さん)

A:子ども主体の保育や楽しく遊ぶ事は、後片付けをしない事ではありません。遊びの中で、後片付けの意味(次の子が遊びやすいように、ものを大切に保管して長く使うために等)もしっかり伝えています。もちろん完璧ではありませんし、苦手な子もいますが、集団で解決できていれば良いと考えています。ASOBIOは沢山の生き物と出会えたり、身体を動かしたり子どもにとっても大好きな場所なので、お片付けや水やりも楽しく取り組んでくれます。

Q:雨が降ると水たまり(池のような)ができる園庭ですが、土壌の改善できますか?(つばさ保育園さん)

A:水はけが悪いケース、園庭に排水のための傾斜がない可能性があります。植栽をする事で地面の保水力が増えて解決できる場合もあります。ご相談ください。

Q:子どもと一緒にできる園庭の環境づくりはありますか?(くまの中央保育園さん)

A:めぐみこども園さんは、園庭改修の途中で子どもの意見を聞いていました。一緒に樹木を植える園もあります。ASOBIOに完成はありません、子どもの遊びの様子をヒントに園庭環境を変化させる事も大切です。

Q:とても憧れます。弊園は園庭が事例の園ほど広くないのです。かけっこしたり集まって何かするスペースが減ってしまいそうです。その課題を乗り越えて変えられるでしょうか?今は芝生の園庭です。(大増のぞみ保育園さん)

A:狭いスペースにASOBIOを作るケースもあります。築山を作った場合でも、周囲や築山の中をかけっこする事もできます。環境が変わるので全く同じ事はできなくなりますが、形を変えて同じような効果やもっと面白い結果が生まれるのかもしれません。芝生はきれいかもしれませんが、1種類だけの植物を管理している場とも言えます。雑草を含む多くの種類の植物を植えれば、それぞれを好む虫や蝶が集まってきます。またその虫を狙って鳥がやってきて糞をします。糞の中には多くの種子が含まれ、また新しい命が起こります。こういった多様な生命の連鎖(生態系)を作る事が大切です。小さなスペースでも生態系はできます。ご相談ください。

Q:園庭改革が必要と考えています。改造計画にあたって、何から始めていけばよいのでしょうか?予算に応じてできることも限られると思いますが、園庭が広すぎて、保育者だけでできる状況ではありません。(たかやま保育園さん)

A:まずは、職員の方と一緒に園庭を改革して保育がおもしろくなった園をご覧になってはいかがでしょうか。職員を巻き込むことが大切なので、良い機会になると思います。ASOBIOを作っている園の多くは、主体性保育への改革中です。園庭でけでなく、屋内環境や先生の働き方も改革をされています。良かった事だけでなく、課題や課題をクリアした秘訣も話してくれるはずです。皆さんの訪問を受けいれてくれるASOBIOアンバサダーの園もあります。お気軽にご連絡ください。

Q:汚れ物はどのようにお返ししていますか?(つばめの森保育園さん)

A:衣服等が汚れた場合は水で軽く洗って、ビニール袋に入れて返しています。靴がドロドロになる事もあるので、不要になった靴を園に寄付してもらい、その靴を履いて帰ってもらう園もあります。

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