ASOBIO園庭セミナーレポート 『目指せ!園庭マスター 第1回 自然豊かな園庭・ビオトープの作り方』

9月24日に開催したASOBIOセミナーASOBIO園庭セミナーレポート 『目指せ!園庭マスター 第1回 自然豊かな園庭・ビオトープの作り方』のセミナー動画のアーカイブや登壇者の資料、質問と回答をご紹介します。

セミナーの開催概要はこちらです。

セミナー動画(アーカイブ:58分)

アンケート回答いただいた方に、登壇資料や、日本生態系協会さんのビオトープコンクール2023の報告書をプレゼントします。アンケート回答はこちらからお願いします。

セミナー中に頂いた質問と回答

Q:土壌改良後、植栽 植え込みまでの期間はどのくらい必要でしょうか?(めぐみ幼稚園さん)
A:私たちは、植栽の当日に土壌改良を行っています。バークたい肥を敷設して、しばらくしてから植栽する方法もあります。

Q:園庭がダスト舗装です。草地を作る場合はどのようにしたらよろしいでしょうか?(takakoさん)
A:ダスト舗装に植栽しても植物は成長はしません。土壌改良が必要です。ダスト層の厚さにもよりますが、耕してみて下の土壌が見えるようなら、よく耕して植栽すると良いと思います。ダスト層が厚い場合には、重機を入れて耕耘(こううん)し、土壌改良をします。ご相談ください。

Q:植木の種類を教えて下さい。(認定こども園日章さん)
A:植木は地域に合う植物を選ぶこと(地域の自然をまねる事)と、園庭から生まれるあそびをイメージする事が大切です。どんぐり拾いをしたい、実を食べたい、木登りがしたい、虫や鳥を集まる場所にしたい等、先生同士で話し合い、造園屋さんに相談されるのが良いと思います。当社でも承ります。

Q:木を植えると、園児の目に刺さらないかと心配する職員がいます。植える際に気を付ける点はあるでしょうか?(ひまわりこども園さん)
A:自然環境を園庭に取り入れると、ケガや事故が心配になります。職員全体でリスク(こどもの成長のために必要な危険)とハザード(予測できない危険、取り除くべき)を話し合う事が大切です。日々の点検で発見された子どもの目線に飛び出している枝はハザードと認識し、剪定する(カットする)ケースが多いと思います。

Q:池を作る場合、循環機がないと良くないでしょうか?ため池だとボウフラに悩まされるでしょうか(大莞保育園さん)
A:循環器がなくても、蒸発やバケツ等で水が入れ替わる環境(雨水やバケツ等で水を補給できる環境)であれば大丈夫です。ただし、直径1m以上の池を作る場合には循環ポンプと排水と注水できる機構を作る(機器をつける)場合が多いです。ボウフラ対策はボウフラを捕食する魚(メダカやフナ等の在来種の魚)を飼うと良いと思います。
※金魚や錦鯉もボウフラを捕食しますが、観賞魚(人間が観賞用に交配して作り出した種)です。ビオトープ池に入れる事はお勧めしません。

Q:真砂土舗装の上にビオトープは作れますか?(末吉いづみ保育園さん)
A:上記のダスト舗装のご質問と同様の回答です。

Q:植栽や雑草を増やしていこうとするのですが、運動会シーズンになると現状すべて除草されてしまいます。ビオトープと行事をうまく両立させるにはどういった心構えが必要でしょうか?(ひまわりこども園さん)
A:園庭=運動場の考え方を改める必要があるのかもしれません。私たちは、園庭を3つの機能に分けて考えています。自然と親しむ場、身体を動かす場、創造・創作の場です。園庭に自然を取り入れるのをきっかけに行事の在り方を考える園さんが増えています。行事もこどもを育てるための手段であり、例年通りに実施する事は目的ではないはずです。事例もご紹介しますので、ご相談ください。

Q:既に植えられている木の元気がない場合どにょうな対策が必要でしょうか? 土壌が固いことと栄養がないことが原因と思われます。(81801さん)
A:土壌が固く、根詰まりしている可能性があります。地中を掘るとコンクリートで囲まれているケースもありました。土壌改良をお勧めします。

Q:池をつくることで排水は必ず必要ですか?濁ってしまう場合はどうすればいいですか?(福井佼成幼稚園さん)
A:池は水の循環や入れ替え(排水・注水)が必要です。排水・注水はバケツでも大丈夫です。小さな池の場合蒸発と雨水と注水で管理できる場合もあります。池の広さにもよりますが、1ヵ月で水が入れ替わるのが理想です。大きな池の場合は循環ポンプと排水と注水できる機構を作る(機器をつける)事をお勧めします。濁り(白濁)がでるのは、水質が安定していない事が考えらえれます。枯れた植物や魚の糞を分解するためには、水中にバクテリアが必要です。バクテリアが好む赤玉土や小石を入れてしばらく様子を見てください。詳細はご相談ください。

Q:保育園が住宅街の中にあり、園庭の両サイドが住宅です。ビオトープや築山を作りたいですが、高さや循環環境などどこから始めたらよいのか分かりません(どりーむ保育園さん)
A:せまい園庭でもビオトープを作る事はできます。園庭の隅の生えている雑草を残すだけで、ビオトープになります。色々な事例があります。ご相談ください。

Q:園庭に池を作りたいのですが、まずは何からはじめたらよいですか?水の供給や排水など、どんな方法がありますか?(たけのこ 保育園さん)
A:園庭に池を作る事は案外ハードルが高く、失敗するケースが多いです。園庭の広さや、配置によってもアドバイスが異なります。ご相談ください。

Q:ビオトープに藻が大発生してしまいます。何か対策はありますでしょうか?(花の木保育園)
A:最近は猛暑による日差しにより、大量の藻が発生する事があります。増えすぎた藻は除去してください。改善しない場合には、簾やタープで日光を遮るようにしてみてください。また、藻や苔を好んで食べるヌマエビを飼うのも良いと思います。

Q:にわのちからという名前で造園業しております。何度か保育園様に植栽の提案をさせていただいたのですが、職員の管理作業の負担がかかることや費用面で却下されてしまいました。どのようにビオトープの素晴らしさを伝えていくか悩んでおります。ここにご参加の皆さまは本当にすごいです。(ハタケヤマさん)
A:よくわかります。日本の幼児教育は転換期にあります。持続可能な社会の実現のために、自然を取り入れた保育、こども主体の保育が注目されていますが、浸透には時間がかかるようです。当社も啓発活動の一環でこのようなセミナーを開催しています。自然を取り入れる事でこども主体のあそびが広がる事を、職員全体に理解してもらう必要があります。

Q:北海道なので雪が降ります。毎年春から始めてもビオトープはつくれますか?(kokoro-3さん)
A:私たちは北海道で3園でASOBIO(ビオトープを取り入れた園庭)を作っています。ご相談ください。

秋のASOBIOセミナー告知

9月~12月でASOBIOセミナーを開催します。自然豊かな園庭やビオトープの作り方、危険や保護者との向き合い方、海外(ドイツ)の事例まで、専門家や玉川大学 大豆生田先生をお招きして解説いただきます。