2026年6月23日に開催された、ASOBIOセミナー「育ちの環境Lab.1:先生主体で進める屋内・屋外環境のアップデート」のセミナーレポートです。セミナー動画の見逃し配信(アーカイブ)を共有します。セミナー内で回答できなかった、ご質問にも回答します。
セミナーの開催概要はこちらです。
アンケートにご回答いただいた皆様に、登壇資料をプレゼントします。視聴後、アンケート回答をお願いします。
Q:私の務める園にも沢山の樹や四季の草花が沢山咲きます。今年もさくらんぼやびわ、うめなどの果物も実り、園児と食育活動も楽しんでいます。自然と共存するにあたり、害虫対策について質問させて頂きたいです。毎年大量の蚊、スズメバチ、毛虫……など悩んでいます。ASOBIOの園庭はとても魅力的ですが、いい生き物ばかりではないと思います。対策をおしえて頂きたいです。
A:自然豊かな園庭づくりを進めると、多くの園で同じような悩みを抱えます。実際にASOBIOでも、蚊やハチ、毛虫などとの付き合い方は重要なテーマの一つです。
まず大切なのは、「すべての生きものを排除する」のではなく、「子どもたちが安全に自然と関われる状態を維持する」という考え方です。自然が豊かになるほど生きものも増えますが、その中には人にとって注意が必要な生きものも含まれます。
【蚊への対策】
蚊は水たまりで発生します。ビオトープや雨庭があっても、水が循環していたりヤゴなどの天敵が生息していたりすると大量発生は抑えられます。一方で、バケツやプランターの受け皿、タイヤなどにできる小さな止水域は定期的に確認し、水をためない工夫がおすすめです。
水場がないのに、蚊が発生する場合には、風通しの良い環境になっているか、藪のようになっている場合には剪定をする事も有効です。
【スズメバチへの対策】
春から初夏にかけて定期的に園庭を巡回し、軒下や樹木の中などに初期の巣がないか確認します。巣が小さい段階であれば専門業者による対応も比較的容易です。また、甘い飲み物や果実の放置を避けることで、ハチを引き寄せにくくなります。
【毛虫への対策】
樹木の種類によって発生しやすい毛虫が異なります。日常的に葉の裏や枝先を観察し、発生初期に除去することが有効です。園児と一緒に観察する際には、触ってはいけない生きものを学ぶ機会にもなります。
Q:園庭が斜面で囲まれているのですが、斜面を活用するアイデアはありますか?
A:斜面は園庭の魅力的な資源の一つです。子どもたちは登る・降りる・転がるなど、平坦な場所ではできない遊びを自然に生み出します。また、日当たりや水の流れの違いから植物や生きものの観察にも適しています。
山梨県のバンビユニバーサルこども園では、斜面をあそび場にした事例もあります。こちらをご覧ください。

ASOBIOでは、地形の高低差や凸凹を「解消すべきもの」ではなく、子どもの遊びや学びを豊かにする環境資源と考えています。安全面に配慮しながら、ぜひ斜面ならではの遊びや自然との出会いを楽しめる環境づくりに活かしてみてください。
Q:園庭の環境なのですが、冬に雪が降る地域での、木材を使った環境(ウッドデッキや木のお家など)の管理や手入れは難しくはないのでしょうか?雪が降ることで、木の腐敗などが気になります。
A:雪の多い地域では、確かに木材の劣化や腐朽への配慮は必要です。しかし、適切な設計や定期的な点検・メンテナンスを行うことで、ウッドデッキや木のお家などを長く活用することができます。
大切なのは、「木材だから避ける」のではなく、経年変化も含めて自然素材と付き合っていく視点です。ASOBIOでは劣化しやすい部分は防腐剤を加圧注入した素材を使うこともあります。日頃から状態を確認したりすることで、安全性を保ちながら木の温もりや魅力を活かした環境づくりが可能です。

Q:ビオトープの管理が上手くいかず、ボーフラだらけ、メダカは死んでしまう……など事例を聞きました。素人が作ったものとの違いはありますか?また管理のコツなどおしえて頂きたいです。
A:ビオトープは作ることよりも、その後の環境づくりや見守りが大切です。ボウフラが大量発生したり、生きものが定着しなかったりするのは、自然のバランスがまだ整っていない状態とも言えます。
私たちが作る場合は、水深や日当たり、水の循環(ポンプの設置)、生きもの同士の関係などを考慮して設計するため、生態系のバランスが保たれやすくなります。
管理のコツは、「きれいに管理しよう」とし過ぎないことです。水草や植物を適度に育て、生きものの隠れ場所をつくり、多様な生きものが集まる環境を目指すことで、ヤゴなどボウフラを食べる生きものも増えていきます。
Q:園庭に川や池を作るには、どれくらいの費用が掛かりますか?
A:川を作るには川の水をどこから流入させるのか、そしてその水が園外に流れていく仕組みを検討する必要があります。池(ビオトープ池)は比較的に手軽に設置できます。1つ前の質問にある循環する環境を上手に作る必要があります。費用は、面積によって大きく異なります。お問い合わせください。
